真っ赤な夕日が地平線に沈む頃、家々から立ち上る焚火の煙が、静かに空へと溶けていく。

その光景は、遠い昔の日本の原風景を思わせるような、懐かしくも美しいものでした。

2018年から約2年間、私はアフリカ・ザンビアに駐在していました。

その地で過ごした日々は、私の価値観を根底から揺さぶり、

人生の指針を与えてくれるかけがえのない時間でした。

しかし、ザンビアには厳しい現実があります。

医療体制が脆弱で、5歳未満の子どもが20人に1人の割合で命を落としている――。

この数字が示す重みは、子を持つ親であれば誰もが胸を締め付けられるはずです。

食卓は、命を育む場所です。

食事は、健康の礎であり、家族の笑顔をつなぐ絆でもあります。

私は願います。

世界中のすべての人々に、安全で、温かく、笑顔あふれる食卓が届くことを。

そして、子どもたちが未来を信じて生きられる社会が築かれることを。

このチャリティマラソンは、私にとって単なる挑戦ではありません。

ザンビアが教えてくれた命の尊さ、そして世界の不均衡に対する痛みを胸に、

私はこの42.195kmを、希望と祈りを込めて走り抜きます。

どうか、私の一歩一歩が、誰かの命を支える力になりますように。