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支援者数

58人

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タヌキの疥癬と猫餌の因果関係 実情と考察

2025/2/18 14:59

皆さんは、こんな生き物を街中で見かけたことがありますか?

これは、疥癬という皮膚病に罹ってしまったホンドタヌキです。

私達の元には全国各地から野生動物に関するお問い合わせが寄せられてきますが、その中でも比較的多いのがこの疥癬に罹患したホンドタヌキに関するものとなっています。

二十年近く続けてきたこの傷病野生鳥獣の救護活動の中で、私達はこのホンドタヌキが疥癬に罹患し、重篤化する要因のひとつに『ホンドタヌキがキャットフードを食べてしまったこと』が原因ではないかと考えています。

ここでは、私達がそう考えた経緯について、少しお話させていただこうと思います。

疥癬についての前提知識

まず、冒頭でも少し触れましたが、疥癬は『ヒゼンダニ』というダニによって引き起こされる皮膚病です。

このヒゼンダニは宿主特異性といって、人にはヒトヒゼンダニ、ネコにはショウセンコウヒゼンダニ、イヌにはイヌセンコウヒゼンダニ、鳥類はトリヒゼンダニと宿主を選ぶ性質があります。タヌキはイヌ科となる為、寄生するヒゼンダニはイヌセンコウヒゼンダニが主となり、疥癬の症状を引き起こします。

また、ヒゼンダニの特性として皮膚の角質層に寄生するというものがあり、メスは疥癬トンネルと呼ばれる穴を掘って産卵もする為、角質層の中で増殖していきます。これが猛烈な痒みとして症状に現れ、皮膚もひび割れのような状態となり、全身がかさぶたに覆われた皮膚となってしまいます。

さらに、疥癬には段階として通常疥癬から免疫力が落ちると角化型疥癬に移行するとされ、人間であれば通常疥癬の場合は数十匹のヒゼンダニの寄生、角化型疥癬の場合は100万~200万のヒゼンダニが繁殖し寄生しているといわれています。

ホンドタヌキの疥癬について

実は疥癬自体が直接の死因となることはないのですが、疥癬によってひび割れた傷口からの感染症や、体温調整機能が失われることによる凍死、口周りが肥厚し、上手く餌を獲れなくなることによる脱水や飢餓などにより死に至ることは多く、治療により皮膚状態が快方に向かっても最終的に多臓器不全、敗血症で亡くなってしまうこともあります。

ホンドタヌキの疥癬がここまで蔓延している理由、最初にタヌキの疥癬の発症が確認された時期も実はまだ明確には分かっていません。

発見される疥癬に罹患したホンドタヌキのほとんどは角化型疥癬にまで移行しています。角化型疥癬の場合は少しの接触で感染する為、通説ではタヌキがパック(群れ)で行動することで感染が広がるとされています。これもひとつの要因として考えられるのは分かりますが、そもそもタヌキは子育ての時期はもちろん、縄張り意識の低い動物という点から家族単位や別の群れと合流したパックで行動することもままある為、もし種としての習性である集団行動だけが蔓延の要因となるのであれば、従前より個体数が減っていてもおかしくありません。

そういった点からも、『ここまで蔓延した最初の始まりは何だったのか』、『自然の中でそこまで免疫を落としてしまう要因は何なのか』というところまでは解明されておらず、様々な推測がされています。

推測されるタヌキの疥癬とキャットフードの因果関係

ここ数十年続けている問い合わせのヒヤリングの中で、疥癬に罹患したタヌキが『外ネコの餌を食べに来ていたタヌキが徐々に毛が抜けてきた』『地域猫の餌場によく来てキャットフードを食べているタヌキが脱毛している』といった内容が多数寄せられていました。

また、別団体の保護施設でも地域猫の餌場で疥癬に罹患したタヌキが目撃されるケースがあるとの情報もあり、当団体の調査の中で『出先でたまたま見かけただけ』といったケース以外のほとんどはキャットフードとの関連が確認されています。

もちろん、『餌場に集まることで感染が広がる可能性』はあり、『地域ネコ活動の場所だから人目につきやすいから問い合わせが多い』ということも考えられますが、いずれにしても『重篤化する要因の免疫力が低下した原因』について判然としません。

これまでにも、高齢となった個体、衰弱した幼獣、怪我を負った個体が免疫の低下により疥癬となったケースも数例ありましたが、問い合わせの中で散見される特に怪我などもなく健康体だった成獣がネコの餌を食べている中で徐々に疥癬となってしまったケースについては、『キャットフード』との何かしらの因果関係も決して否定はできません。

タヌキは雑食性、ネコは完全肉食性

私達は仮説の一つとして、タヌキがキャットフードを食べることで免疫力が低下し、疥癬が重篤化しているのではないかと考えています。

タヌキは雑食性の動物で、木の実や昆虫、果物、山菜、きのこ、小動物やその死骸などを食しています。

一方で、ネコは完全肉食動物。

一般的に、イヌがキャットフードを常食すると体に良くないとされていますが、これはイヌが肉食に近い雑食性であるのに対し、ネコはほぼ完全な肉食性で食性が僅かに異なる点にあります。

一見すると、見た目は同じように見えるキャットフードとドッグフードですが、ペットフードの栄養基準や表示に関する基準を定めるアメリカのAAFCO栄養基準ではキャットフードがタンパク質26%・脂肪9.0%、ドッグフードがタンパク質18%・脂肪5.5%と栄養素割合は異なり、さらにタウリンを体内生成できるイヌと違い、ネコはタウリンを食事で摂取する必要がある為、キャットフードにはドッグフードに不要なタウリンが含まれていたりと含有成分が異なります。

その為、イヌがドッグフードを常食してしまうとそれらの成分が過剰摂取となり、高タンパク・高塩分などで肥満や腎不全などの病気を引き起こしやすくなる可能性がある、といわれているのです。

そしてタヌキはイヌよりもさらに食肉性の低い雑食性の動物です。そのタヌキがキャットフードを食べてしまえば、タンパク質や脂質など、本来自然の中で多くは得られない栄養素を過分に摂取してしまうこととなり、消化器官や内臓などへ負担をかけ免疫力が低下してしまうことは十分に考えられます。

よく勘違いされてしまうところなのですが、動物界での雑食は『何でも食べる』という意味ではなく、『幅広い食性を持つ』という意味です。

身近な生き物でいうとスズメも雑食性の動物となりますが、何も豚肉や牛肉も食べるわけではなく、『穀物や木の実、昆虫も食する』ということで雑食に分類されています。

種によって食事から得る必要栄養素に違いがあり、逆に食すことは可能であっても体に害をもたらす可能性のある不必要な栄養、許容限度のある栄養がある、ということです。

そういう意味で、もちろんパンやシュウマイといった人の食べ物をタヌキに与えることもよくありません。

キャットフードとタヌキの疥癬について歴史から見る考察

ここからは完全に「キャットフードとタヌキの疥癬に関連があるならば」という想定を前提とした考察になります。

疥癬を患ったホンドタヌキは、1981年に岐阜県で目撃されたのが日本で最初と言われており、横浜市では1987年に初めて目撃されたといわれています。

東京都内でのデータは不明ですが、当団体と提携するのづた動物病院の創業当初から疥癬に罹患したホンドタヌキの保護があったことから、遅くとも町田市内では1994年には蔓延していたものと思われます。

あくまで参考程度にではありますが、キャットフードの日本伝来時期は1970年代とされていて、当時はかつての名残からネコが放し飼いされているケースも多く、外でネコに餌を与える飼主も少なくはありませんでした。さらに、家で飼うことができない代わりに野良猫に餌を与える市民も一定数いて、キャットフードが日本に伝来して以降、比較的安価で手に入るようになってからはそれが加速したものと考えられ、10年の間にタヌキが外ネコの餌を食べることを覚えていった可能性も考えられます。

また、地域猫活動は1997年11月30日に開催された『第3回磯子区民と考える猫問題シンポジウム』の中で公表された『地域猫』という言葉が広まったことから始まったとされており、地域猫活動の波及に伴い外でキャットフードを食す機会が増えてしまったタヌキが疥癬となってしまった可能性もないとは言い切れません。

病理解剖などを通し、更なる解明を

近年では北海道の札幌市で餌付けをされていたキタキツネが疥癬となっているケースも確認されており、その中にはネコ餌の餌付けについても指摘されていました。

また、海外での論文の中でもタヌキやキツネ、コヨーテの疥癬に関するものは非常に多く、疥癬が野生動物の個体数を大幅に激減させる要因になり兼ねないともされています。

まだまだこの分野は未開拓の部分が多く、ここで書かせていただいたことに関しても生体実験を行っていない為、現段階ではどうしても考察や推察の域を出ず、確証のあるものではありません。

しかし、可能性を一つひとつあげていき、その説が覆されるにしろ証明されるにしろ、大事なのは早急に原因が究明され、疥癬を患い、苦痛の中で命を落とす野生動物が一頭でも減ることだと思っています。

今後、当団体ではデータの蓄積と分析に併せ、疥癬で亡くなってしまった個体の病理解剖も進めていく予定です。

たくさんの子を見送ってきたからこそ、その子達が遺してくれたメッセージを次の命に繋げていけるよう、これからも尽力して参ります。

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皆さんこんにちは! JWCの佐草です!

ここでは、JWCスタッフが日頃どのような一日を過ごしているのかについて書かせていただこうと思います。

理事長はカメラが使えないので、代わりに全ての工程のモデルになってもらっていました(笑)

屋外ケージの基本的な掃除

現在、JWCの屋外ケージは合計で11ケージあります。

保護されてくる動物の種や状況に合わせてケージの割り当て・止まり木やプールなどの調整を行う為、掃除の仕方も哺乳類がいる時、猛禽類がいる時、水鳥がいる時で変わるので一概にはいえませんが、大まかには汚れている地面や枝の掃除、プールの掃除をしていきます。

またこの際、フンの状態に異常はないか、出血などはないか、羽や毛が異常に散らばっている様子はないか、餌の減り具合は通常と変わりないかなど、個体の状態もチェックします。

プールも、水鳥がいる場合は満杯にし、1日に1~2回程交換を行います。

水鳥ではない場合でも、水浴びを行う種がケージ内にいる場合には毎日ゴミ浚いをし、時期にもよりますが1~2週間に一度は交換を行うようにしています。

ちなみに、昨年の夏にカルガモが5羽保護されてきましたが、変えたそばから一瞬で水が汚れ、しかもその時ちょうど排水が壊れてしまっていたので、毎日バケツリレーで水の交換をしていたので中々に地獄でした……。

屋外 床がコンクリートのケージの掃除

屋外ケージの中には半屋外の場所もあり、そこは床が土ではなくコンクリートです。

そのタイプのケージでは、床の掃き掃除と汚れやすい場所に敷いている新聞紙の交換、また、日常の掃除に加え、定期的に高圧洗浄でコンクリート面の完全洗浄も行います。

床がコンクリートのケージは基本的に野鳥で使用していますが、野鳥の中には砂浴びや土食をする種もいる為、ストレス軽減と消化不良を防ぐ目的で敢えて土を入れており、これも定期交換しています。

屋外 特殊なケージの一例

はじめの方でも書いたように、ケージは種によって構造を少しずつ作り変えているので全てのケースを紹介することは難しいのですが、一例として、現在リハビリ中のウミネコのケージでは足の負担軽減を考えて床に人工芝を敷いている為、こちらも毎日交換しています。

また、最近は体調の関係で蓋をしてしまっていますが、地面の高さに合わせて設置している海水プールもあり、この清掃も行います。

海水は業務用で売られている人工海水の素を使用し、200L用のものを一袋そのまま使っています。

室内 哺乳類ケージ

容態がまだ安定していない子や投薬が必要となる子などは、室内のケージで経過を観察します。

哺乳類の場合は安全面、衛生面からステンレスケージを使用することが多く、現在全部で6室ある状態です。

ステンレスケージの場合の掃除は、汚れたタオルを回収し、ヘラでフンをこそいで消毒液で拭いていきます。

見回りの際にフンをしているのを確認したらなるべく掃除をするようにしていますが、夜から朝にかけてはどうしても取り替えることができません。

大抵保護されてくる野生動物は夜行性なので夜中にフンをすることが多く、ケージ中にフンが踏み固められていることほとんどなので朝の掃除は本当に大変です……。

また、収容スペースの関係で現在はリハビリルーム一室ケージとしても使っている為、こちらも汚れたタオルの回収と部屋の拭き掃除をステンレスケージと同様に行っています。

回収したタオルはフンがついていたり、餌の食べ残しが付着している可能性もあるので一度全て手洗いをし、最後洗濯機で洗います。

なぜペットシーツではなくタオルを使用するかというと、野生動物はこうした環境に慣れているわけではないので、個体差はありますが大抵の子が敷物を嚙み千切ります。その際、誤ってペットシーツを誤食してしまうとポリマーが消化管内で水分を吸収して膨張し、腸閉塞を起こす可能性もある為、当団体ではタオルを使いようにしています。

ただ、このタオルの手洗いはかなりの重労働で、洗い場の高さもあるのですが腰がね……しんどいです……(笑)

室内 鳥ケージ

次は、室内で経過を見ている野鳥たちのケージの掃除です。

現在、常備設置しているケージは4部屋、室内飛行訓練ケージ1部屋あります。

野鳥の場合は敷物にペットシーツを使っているのでその交換と、フンで汚れている枝やケージ側面の掃除をしていきます。

また、視力障害や麻痺、骨折など、個別のケージを必要とするケースもあります。

その場合は、移動して持っていくことが可能なので、ある程度の汚れを落とした後は屋外で水洗いを行っています。

洗っている間、お天気の良い日は治療中の子を目の届くところにおいて、日光浴もさせています。

骨や羽、神経の回復には日光を浴びることによって体内で生成されるビタミンDが必要不可欠なので、これも大事な治療です。

(この子は神経障害があり、広いケージに移すと前転を繰り返してしまうので日光浴をする時は少し狭いケージで太陽を浴びてもらっています)

餌作り

続いて餌作りです。

まずは回収した食器を残餌量も含め確認しながら洗っていきます。

この食器も、種に応じて、ケージの形状に併せ食べやすいものを割り当てるようにしています。

餌に関しては一つひとつ工程を説明していると書ききれないので割愛しますが、基本的にはリリースすることを前提に考えているので、果物や野菜がメインの餌となります。

また、どうしても自然の中で摂取する物とこちらで用意したものでは栄養バランスも異なる為、特に野鳥には各種サプリメントも入れるようにして栄養不足にならないよう気を付けています。

--------〈例〉--------

【ホンドタヌキ】

サツマイモ(茹で)・ジャガイモ(茹で)・リンゴ・ミカン・鳥の胸肉(茹で)・季節の果物(イチジクや柿など)

【ホンドギツネ】

ヒヨコ・ウズラ・マウス(生餌)・馬肉ミンチ

【ヒヨドリ】

サツマイモ(茹で)・ジャガイモ(茹で)・リンゴ・ミカン・野菜ミックス(小松菜・キャベツ・ニンジンを細かくして冷凍したもの)・ミルワーム(生餌)・鳥用ビタミンS・鳥用ビタミンB・小松菜粉・七分餌・鳥用乳酸菌・季節の果物(イチジクや柿など)

【ウミネコ】

チカ・ヤリイカ・シバエビ・鳥の胸肉(茹で)・鳥用ビタミンS・鳥用ビタミンB・鳥用乳酸菌・海水

----------------

※のづた動物病院から獣医師に選定してもらった野生動物にも与えて問題のない廃棄のペットフードも定期的にもらっていますが、これはタヌキに与えてしまうと、リリースした際に地域ネコの餌を食べることを覚えてしまい、間接的に疥癬などの病気にかかってしまう可能性もある為、雑食の鳥類に使用するようにしています。

ちなみに、雑食の子は哺乳類も鳥類も嗜好性が個体によって異なるので、この子はニンジン好きだけどこの子はニンジン食べない……ということもよくあります……。

それでなくとも、いつも同じものだと飽きてあまり食べてくれなくなることもあるので、時々内容は変えるようにしています。

その後、それぞれ餌を配っていきます。

中には、体の状態で強制給餌が必要な子、雛鳥や幼獣で数分~数時間置きの給餌が必要な子もいる為、状況に応じて給餌の補助も行います。

体調を把握する時、食欲の有無は大きな指針となります。

『食べることは生きること』とはよく言いますが、本当に言葉の通りだと思います。

治療やリハビリで嫌な思いをさせてしまうからこそ、『食べる時』には少しでも『美味しい』と思ってくれるように……と心掛けています。

日常ケア・治療・リハビリ

日常ケアや治療、リハビリについてはそれこそ同じ症状であっても個体差があったりする為、体重測定、目ヤニの洗浄、爪・嘴切り、入浴、日光浴、点滴、テーピングの交換、投薬、点眼、歩行・飛行訓練、神経回復の為のリハビリ……とその子その子に合わせたサポートを行います。

正解もなく、野生動物の為に作られた器具もない為、骨折の子のギプスひとつをとっても、キジバトくらいの子であればストローに切り込みを入れ、ガーゼで擦れていたくならないように工夫をし、スズメのようにもっと体の小さなこの場合は、綿棒の軸を利用して……と様々です。

試行錯誤の日々ですが、『今目の前にいるこの子にとって何が最善か』を常に考え、ケアに当たっています。

その他業務

だいたいのスケジュールにはなりますが、午前中で大方動物たちの世話を終えた後は、事務作業に入ります。

【大まかな業務内容】

・保護動物たちの看護カルテ記入、のづた動物病院への日報報告

・メールやお電話でいただく野生動物に関するお問い合わせの対応

・保護動物、問い合わせのデータ分析

・ケージの修繕

・JWC農園の手入れ

・ボランティアさんの対応

・会員様、サポーター様の会員情報管理

・JWC通信の作成

・日常のSNSの投稿

・YouTubeの動画撮影、編集

・イベントの企画、準備

・チラシやポスターの作成

・経費管理

また、私達JWCスタッフは、JWCの提携動物病院であるのづた動物病院・のづた動物病院トリミングホテルの経理・総務も担当している為、日々の売上管理とスタッフの勤怠・給与管理、必要に応じてのづた動物病院やトリミングホテルのヘルプも行っています。

気が付いたら一日が終わり、また一日が始まる

いかがでしたでしょうか??

書き出してみるとかなり長くなってしまい……最後までお付き合いくださった方がいましたらありがとうございます!!

こんな感じで怒涛の毎日を過ごしているので、本当に気が付いたら一日が終わっています(笑)

どう考えても一日が24時では足りない……という日々で、365日休みもないような状態ですが、また新しい一日が始まり、さとやま保護センターで頑張っている野生動物たちの姿を見ると「私も頑張ろう」という気持ちになります。動物たちには色々なことを教えてもらって、励ましてもらってばかりです。

目の前の命を救う為にも最善を。

遠い場所の命を救う為により多くの啓発を。

私達にできることはほんの些細なことではありますが、引き続き全力を尽くして参りますので、何卒ご支援に合わせ情報拡散のご助力をいただけますと幸いです。

月々500円から始める野生動物保護、JWCのサポーター『JWCサポメン』100人の募集も残り22日となりました!

現在のご支援者様は23人!! あと77人!!

ぜひ応援のほど宜しくお願い致します!!

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皆さんこんにちは!

JWCの佐草です!

JWCのSNSや活動報告では、なるべくスタッフの私情が挟むような投稿はしないように気を付けています。

ただ、今回このJWCサポメンを募るにあたり、『動物への応援』に併せ、自分たちで書くのは変な感じがしますが、私達『スタッフへの応援』というところにも焦点を置いている為、このシリーズでは、普段あまり表では書くことのない私達が活動をする上で日々思っていること、感じていることを書かせていただこうと思います!

……不評だったらこの一回で終わるかもしれません(笑)

宜しければお付き合いいただけますと幸いです。

朝起きてまず思うこと

物心ついた時から野生動物に囲まれる生活を送り、幼少期から動物たちの世話を手伝っていましたが、仕事として始めるようになり、より密接に動物たちと関わるようになってからは、ケージの中の枝や隠れ場所の配置や餌の内容など細かいところ一つひとつをその子その子に併せて考えたり、治療法やリハビリ法について国内外の文献を調べて参考にしたりとするようになりました。

「この枝の配置なら枝渡りしやすいかな」

「この餌だったら食べてくれるかな」

「ここにスロープを付けたらプールに入りやすいかな」

そうやって、毎日毎日、一頭一頭、一羽一羽のことを考えながら世話をしています。

だからこそ、最善をと考えてしていても力が及ばずに亡くなってしまった時、やはりやりきれない思いをします。

容態が悪い子がいる時は夢に見ることもあって、朝起きてすぐ監視カメラで確認したり、直接見に行ったり。

こんなことを思うのは傲慢かもしれませんが、「生きてて欲しい」とそんな想いで毎朝さとやま保護センターのドアを開けます。

命を“救う”ことが正しいとは限らない野生動物の難しさ

“死”はどんな命にも平等に訪れる。それは、野生動物も同じです。

特に、野生動物に場合は命を救うことが必ずしも良いとは限らない場面もあります。

人間やペットに場合、命を助けることは絶対的に正しい事でしょう。しかし、野生動物が息づくのは弱肉強食の世界で捕食者と非捕食者が存在し、全ての命は循環しています。

植物や昆虫を食べる小動物がいて、その小動物を捕食するフクロウやキツネがいて、そのフクロウやキツネが力尽きればその子達は昆虫や植物の糧となり、またそれを小動物が食べ。そうやって綺麗に回っています。

だからこそ、本来であれば無暗に野生動物に手出ししてはいけないというのは正しいことなのです。

しかし、その中でも交通事故や窓ガラスの衝突事故、ネズミ捕りシートの誤捕獲、ネコ被害、河川の擁壁からの滑落、トラバサミなど、人が介入してしまったことによって傷付けてしまったのであれば、そこは見て見ぬふりをしてはいけないと思っています。

また、例えば交通事故に遭った子がいたとして、明らかにもう手の施しようがない状態だった場合、これもわざわざ病院まで連れてきていただくかどうかはとても悩みます。

それだけ私達が助けてあげようと思ってしたことでも、彼らにとっては恐怖でしかなく、もう残りわずかな時間を恐怖の中で終えるのか、それとも慣れ親しんだ場所で静かに最期を迎えるのか。

これも発見者の方にはお話して、酷な選択ではありますが、最終的な判断はお任せするようにしています。

正解がなく、動物たちにどうしたいかを聞くこともできない。

だからこそ、日々何が最善かをずっと悩み続けています。

便宜上、“救う”という言葉をよく使っていますが、実は上から目線な気がして少しだけ苦手な言葉だったりします。

“救う”というよりも、“助けたいから助ける”、“命を諦めたくないから最後まで向き合う”という想いで日々傷付いた動物たちと接しています。

名前を呼ぶのは“誓い”と“願い”から

さとやま保護センターには、様々な種、様々な症状の野生動物が保護されてきますが、私達の決まり事として、保護されてきたその日のうちに名前を付けるようにしています。

これは単純に記録する上での個体識別の意味もありますが、それとは別に、“今、目の前にいるこの子へ最善を尽くそう”という自分の中での誓いと“元気になって元の場所に帰れるように”という願いを込めています。

名前を呼んで、一頭一頭、一羽一羽と顔を合わせ、些細な変化にも気付けるように。

時に、亡くなってしまう寸前の子が搬送されてくるケースも中にはあります。それでも、その子が生きていたという証を少しでも残す為にと名前を付けます。

今時分が向き合っているのは、この世界にたったひとつだけの代えの利かない命なのだと、名前を呼ぶ度に再確認し、全力で向き合うようにしています。

これからもきっと、たくさん泣くことはあります。

自分の無力さを痛感することも、自分のしたことに意味はあったのかと自問自答することも絶対にあります。

それでも、自分たちが諦めてしまえば繋げられる命も繋げられない。

そして、有難いことにこんな私達を応援してくださる方がいるから、悔しさも苦しさも全部引き攣れて歩みだけは止めずに行きたいと思っています。

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-手紙-

頑張って元気になった子達へ。

ちゃんとごはんは食べれてる? 怪我とかしてない?

今の寝床はどんなところなんだろう。

仲間や家族はできたかな。

君たちが私達やここでの生活を忘れて、たくさん太陽を浴びて、自然の中で寿命の限りにきちんと生きて。

そうやって過ごしていてくれることをずっと願ってるよ。

天国に行った子達へ。

もう新しい命に生まれ変わったかな。

まだもう少し時間がかかるかな。

痛くて怖い思いをさせてしまったけど、最期まで頑張ってくれてありがとう。

君たちが教えてくれたことは全部忘れない。全部、次の命に繋げるよ。

たくさんの思い出をありがとう。

次はもっと長く生きて、幸せに過ごせることを祈ってる。

みんなが教えてくれたことは、これからも絶対に無駄にしない。


皆さんこんにちは。

JWCの佐草です。

本日はさっそくですが、保護情報をお伝え致します。

1月30日(木)、JWCへ一本の電話が入りました。

「ネコに襲われていたヒヨドリを子供が保護したのだが、右側の翼がないように思う」

詳しく状況をお伺いすると、右翼からは出血があるわけではなく、目が閉じていたり、呼吸が乱れている様子もないものの、飛びあがることがなく、ただ足で跳ね回っているとのことでした。

『右翼がない』となった時、関節ごと脱落してしまっている可能性もありますが、その場合はもっと弱っていることが考えられる為、小さな羽はあるように見えるとのお話からも恐らく風切り羽がごっそり抜けてしまったのではないかと考えられました。

当団体と提携するのづた動物病院で検査・診察を行ったところ、鳥インフルエンザは陰性、一部付け根に咬傷による腫れは見られたものの出血はなく、骨折もなさそうでした。

上下に体を持ち上げて動かした際に翼が動くことは確認でき、食欲もあるようですぐにミカンを食べていました。

また、羽が生える際に羽軸(うじく)を包む形で出てくる羽鞘(うしょう)も少しですが生えていたことからも咬傷によるダメージはそこまでないように見受けられます。

右翼と共の右側の尾羽も少し抜けてしまっていましたが、このまま無事に伸びてくるのを待ち、リハビリに進めたらと思います。

ネコはかつて穀物をネズミから守る為の家畜として、また愛玩用として日本に伝来し、飼われていたものが繁殖してしまった外来種の部類となっています。ネコの少し厄介な習性として、空腹時のみならず遊びで狩りをしてしまうという点があり、今回のように小動物が傷付けられる、あるいは捕殺されるケースが非常に多いのです。

実際、当団体でもヒヨドリ・キジバト・ムクドリと多くの野鳥がネコによる被害で保護されていますが、普通種に限らず天然記念物や絶滅危惧種も常に脅かされています。

その為、野生化したネコ(イエネコ)は特定外来生物であるアライグマと同じ、『緊急対策外来種』のカテゴリーに分類され、生態系に及ぼす危険度はハクビシンやドブネズミよりも高く設定されているのです。

また、このネコの問題は日本に限らず、世界的にも問題視されています。

生物層が豊かな国の代表であるオーストラリアでは、年間15億匹もの野生動物がネコに捕殺されており、国内で絶滅した哺乳類の三分の二がネコの被害によるものとも言われ、早急に対処するべきとして2024年9月にはネコを駆除する為に58億円もの国家予算を投じているそうです。

まだ日本では幸いというべきか駆除の方向には動いていませんが、野生動物の被害を考えるとTNR活動の推進はもちろんのこと、それに合わせネコは家に迎えて家族として生涯共に暮らす方向でぜひ考えていただければと思っております。

最近の気候的にも夏には熱中症で亡くなる野良猫が多いようです。ネコの幸せの為にも、野生動物の安全を守る為にも、ペットを飼う際に『保護ネコを受け入れる』選択肢が増えることを祈っています。

※我が家で飼っている元野良猫三兄弟です(笑)

※JWCは皆様のご寄付・ご支援により活動を行なっております。

一羽でも、一頭でも多くの命を救えるよう、ご協力いただけますと幸いです。

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NPO法人

ジャパンワイルドライフセンター

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代表:佐草和泉

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