NPO法人 み・らいず2
2,995,900円
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NPO法人 み・らいず2
この写真は、私が社会福祉を仕事にすることになる原体験の1コマです。
私はこの写真の当時、み・らいず2の職員、ガイドヘルプ(移動支援)として、このメガネの少年(当時中1くらいだったと思います。仮名:ホシ君)を担当し、区が主催する社会教育関係のイベントに参加していました。
コース別で体験活動を選択できる場面で、ホシ君は、大阪市のごみ処理場、住之江工場の煙突見学を選択しました。
工作や泥だんごをつくるような活動もある中で、脳性麻痺があり、電動車いすに乗るホシ君が、それを選択することは、(ありうる話だけどたぶん空気を読んで無理だろうという感じで)ないと主催者側は考えていたように見えました。
私もその空気を察して、彼に、「工作とかめっちゃ楽しそう!」と否定もすることなく、説得したと思います。それに対して、ホシ君は、「煙突!」「煙突!」と繰り返します。
それに対して、その場は流れるように、ホシ君は煙突見学の列に導かれていきました。
高さ100メートルの煙突を目の前に、私のほうが眼が眩むほど。
途中でどこか、狭くなるような場所で本人とゴールを味わえるようにしよう、と躊躇する気持ちや、もうやったろかい!というような若さのテンションであった部分もあるような、よくわからない感覚だったように記憶しています。
目の前には、100メートルの煙突、それはすべてらせん階段。
中1相応の体形のホシ君を担いで、ヘルパーの私が肩に乗せて上がり始めると、10段も登ったら、降りてもらい、また担いでを繰り返すにつれて、私の汗は尋常ではなくなり、体力の限界を超えてしまいました。
そんなときに、一人の処理場の職員さんが、「ホシくん、おっちゃんでもええか!」と声をかけてくれました。
そのとき、思わず私がこの写真を撮ったのは、あまり記憶にありません。
最終的に、一番頂上にたどり着くまで、次は、私が担ごう、という申し出が後をつなぎ、最終的にハシゴ状の階段では、本人も腕の力を振り絞って、登り切りました。
煙突の頂上から見える住之江の景色の写真もあるのですが、私が選んだ1枚は、この後ろ姿。
誰かの行動に、フォロワーとなる、今回のごみ処理場の一人目の職員さんが「勇者」として名乗り出てくれる。あとはそれを、これだったら、私もできる、というムーブメントになっていく。
大阪マラソンが私の中で、これとつながった、と言えば、だいぶ個人的な感覚だと思います。
しかし、こうやって、人の行動が広がっていけるのか、という実感が持てた、という点については、どこか共感いただければ嬉しいです。
4回目の「完歩」を目指すことになりますが、6時間半を切ったことがない「ランナー」としては、6時間半を切るという目標を最後に小さく掲げておこうと思います。
応援も寒い中だと思いますが、体調に気を付けて、どうぞよろしくお願いいたします!
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