応援メッセージ〜大崎麻子さん(ジェンダー、開発政策専門家)
2020/6/6 18:33
元UNDP(国際連合開発計画)スタッフで、「エンパワーメント 働くミレニアル女子が身につけたい力」の著者でもある大崎麻子さんに応援メッセージをいただきました!
大崎さんには、ウィメンズアイが現在取り組んでいる「ローカル女子と未来をひらくプロジェクト」
本当に心強いです、大崎さんありがとうございます!
わたしは元々、国連機関で、途上国のジェンダー平等と女性のエンパワーメントの推進に携わっていました。ジェンダー平等と女性のエンパワーメントは「欧米諸国がやっていること」ではなく、国連加盟国193カ国がコミットした、グローバル目標です。
1990年代半ばから、多くの草の根プロジェクトにも関わりました。そこで実感したのは、女性が健康になり、教育をうけ、経済力をつけ、政治に参加するようになると、その効果は女性だけにとどまらず、家族、コミュニティ、ひいては国全体に広がるということです。2000年代半ばに、世界経済フォーラムが「グローバル・ジェンダー・ギャップ報告書」を発刊したのは、女性のエンパワーメントの進み具合と、国の経済・社会の持続的な成長に相関関係を見出したからです。
東日本大震災の後、被災地での女性支援に携わりました。日本国内のジェンダー問題の根深さ、そして、女性のエンパワーメントの社会的・経済的意義の理解の薄さに驚愕する思いでした。そんな中、ウィメンズ・アイと協働する機会がありました。女性たちが集い、共に学び、経験を共有しながら、自信と力を得ていく様子を目の当たりにしました。そして、次のステップとして、自分たちが暮らすコミュニティのありようを「ジェンダー視点」から捉え直し、解決策を考え、行動に移していく様子も。それがまさに、女性のエンパワーメントの社会的意義であり、持続可能な社会づくりの必須過程です。
ウィメンズ・アイがこれまでに積み重ねてきた経験、ノウハウ、ネットワークを日本全国に広げようという新たなチャレンジ。誰もが自分らしく生きられる、サステナブルな社会に日本が転換していくために必要な取り組みではないでしょうか。趣旨に心から賛同し、応援しています!!
(大崎麻子)
WEの相談事業〜相談員の中村雪子さんを紹介します!
2020/6/5 22:48
WEでは、2017年11月より、主に南三陸町と気仙沼市における「女性のしごと相談窓口」を開設しています。この事業をスタートするにあたり、産業カウンセラーの中村雪子さんに加わってもらいました。
雪子さんは、4人のお子さんを育て、4番目の娘さんが小学5年生にあがる時、専業主婦から心理学を学び始め、産業カウンセラーの資格を取得されます。相談窓口には、子どもが幼稚園、小学校にあがったのをきっかけに仕事復帰を考える女性たちがやってきます。女性がはたらくことには、子育てや介護など家族との関係性が切り離せないように思います。そんな相談者たちの悩みに、雪子さんは自然体でそっと寄り添える存在のように思います。あと、チャーミングさがあるところが一緒にいて癒されるところです。
昨年から毎月一回カウンセリングのための勉強会を開いています。
二人であーだこーだと意見を出し合って学びあえる場があることは、経験が浅い私(キャリア・コンサルタントの国家資格を取ったばかりです)にとって、とても貴重な時間であるとともに、信頼できるパートナーがいることを誇りに思っています。
「人に話すことで、ふだん言葉にならないものが出てきますよ」と雪子さん。
相談者にとっては、口にだしてしまうことへの恐れを感じる時があります。一人では抱えきれない、モヤモヤ・イライラ続いて壊れてしまいそうな時、その重い荷物がほんの少しでも軽くなるようなお手伝いができたらと思っています。
(栗林美知子)
雪子さんからのひとこと
数年前、「私、産業カウンセラーの資格を持っています。何かできたらいいなと思っています」と、事務局長の美知子さんにご挨拶をしたのがWEの仲間になる最初の一歩でした。
WEの方々のお顔や、事業の内容をよく知らないのにそんな行動をしたのは、実現できる出来ないは別にして、人の思いを心にとめてくれそうだという空気感をWEのなかに感じたからかもしれません。
今「女性のしごと」相談室の相談員としてお話を聴かせていただいていますが、私自身、プライベートなことで怒りがわいたり、落ちこんだり、気持ちの浮き沈みがよくあります。そのたびに今まで学んできた知識や理屈を使ってなんとか収めようともがきます。
でも時々、ただひたすらに「話を聴いてほしい!」と切に思うことがあります。
学んできたことは役に立ちますが、一人で対処するということはかなりのエネルギーを使いますし、自分の内でグルグル回っているだけで、消化不良状態として残ることも多いです。
人に話す=自分の内から放すことで、心に抱えているものの重さを少しだけ軽くすることができそうです。
お話を聴かせていただくとき、傾聴だけでは不十分なこともあります。
そのたびに自分自身の未熟さを痛感するばかりですが、ご縁を結んでくださるお一人おひとりが、丸ごとの自分を受け入れ、のびやかな人生を送っていくための手伝いができたら嬉しい限りです。
(中村雪子)
今日はWEのお誕生日です!〜WEのはじまり
2020/6/4 19:09
6月4日、今日はウィメンズアイ7周年のお誕生日です!
あの日からもう7年。スターティングメンバーはみんなそのぶん、年を重ねました(写真が、若い!)。そして、新しい仲間たちも加わりました。
事務局スタッフとしてWEに加わったあとにそれぞれのスタートを切っていったみんなも、宮城だけでなく、岩手や、鹿児島や、長野、それぞれの場所で元気にしているかな。
ボランティアやプロボノ、ご寄付、クラウドファンディング、助成金、心理的支え、活動の相談に乗ってくださった方々、あらゆる形でこれまでWEを応援・サポートしてきてくださった方々に感謝を伝えたいです。
ありがとうございます!
前身のRQ被災地女性支援センター(RQW)が震災直後の2011年6月1日に発足。国内外で長年、災害支援活動に関わってきたNPO法人日本エコツーリズムセンター代表(当時)の広瀬敏通さんから、「災害弱者」支援の中長期的な活動が必要で、そこでは女性がキーになるという言葉があったのがスタートでした。初年度に代表・広瀬さん、副代表石本めぐみ。次年度は石本めぐみが代表につきました。
そして、2013年6月4日に、RQWを解散し、大事にしてきた「女性のまなざし」を団体名に冠しNPO法人ウィメンズアイ(略称WE:ウィ) を立ち上げたのでした。社会を変えていく風を被災地から女性たちと共におこしていく小さな決意を込めました。
呼びかけの言葉は、「女性のまなざしをいかして、しなやかな社会を」
いのちと暮らしをみつめ、災害の時にも負けない地域のレジリエンス(しなやかさ)を平時から備えていくために、女性も男性もともに力を持ち寄る未来を思いました。
そう、レジリエンス(押しても戻る力)、という言葉をよく使っています。心理学の分野では、心が回復する力のこと。地域社会にもレジリエンスが存在します。
当時行なっていた編み物教室の編み地に例えて、レジリエンスのイメージを膨らませていました。編み物をするという行為自体が心を次第に回復させていく様子を見てきたことも、通奏低音のように響いていました。
日常の中に存在する編み地のような人と人とのネットワークが、みんなを包み込み広がりのあるものとなっていけば、非日常の時にも力を発揮するはず。
その編み地=レジリエンスは、人がつくり出すもの。
暮らしに根ざした地域社会のレジリエンスを支える担い手たちが、つぎつぎ生まれる社会になるにはどうすればいいのだろうと思った時に、私たちに「何かしたい」とこっそり耳打ちしてくれた、あの女性たちの声を思いました。この声こそが鍵なんだと確信しているから、活動を立ち上げ、ここまで続いてきているんだなと思います。
そんな女性たちが誰はばかることなく、自分たちの場所で、自分らしさを発揮して、いきいき元気に活躍できる。そんなビジョンをぜひWEと一緒に形にしていきませんか。
ぜひ、マンスリーサポーターになって、これからの私たちを支えてください。
(塩本美紀)
応援メッセージ〜桃生和成さん(一般社団法人Granny Rideto代表理事)
2020/6/3 18:14
仙台を中心に活動する一般社団法人Granny Rideto代表理事の桃生和成さんに応援メッセージをいただきました!
桃生さんには、南三陸町の拠点をつくるにあたって、ワークショップを通じて未来への航海図を描くお手伝いをいただきました。桃生さん、ありがとうございます!
「不確定な世界にしなやかさを」
東日本大震災から9年。少しずつ歩みを続けてきた復興の過程において、私たちは新たな課題に直面しました。新型コロナウィルスという目に見えない脅威により、私たちが築き上げてきた社会の脆さが一瞬にして露呈されました。脅威は恐怖を掻き立て、人の心の弱さに漬け込み、人間社会の分断を生み出しました。昨日まで仲の良かった隣人に対して、いつのまにか疑いの目を向けるようになりました。膨大な情報が錯綜し、何を信じ出て良いのか混乱する日々を過ごしています。
今、私たちに突き付けられているのは、政治、経済、医療、教育などあらゆる分野のパラダイムシフトです。この状況を前向きに捉えるのであれば、これまで築き上げてきた地域社会を一旦見つめなおし、何を守り、何を大事にするのかを改めて考えるチャンスです。不確定な世界で、高度に発達したテクノロジーと人間が持ちうる感性を融合し、新たな価値をもたらすしなやかなチャレンジこそが必要です。
そんな中、人間の「なにかしたい」という衝動ともいえる思いは、地域社会を変える大事な種です。そんな種を蒔き、育てるようとする本プロジェクトを心から応援しています。ここから芽吹いた「なにか」が地域の未来づくりにつながることを願っています。
一般社団法人Granny Rideto
代表理事 桃生和成