活動報告#9 登壇者Aさんの発表と感想
2024/9/1 14:42
小学校二年生からの小児がんとの闘い
僕が初めて小児がんを経験したのは、小学校二年生の時でした。松果体に胚細胞腫瘍ができ、その後、小学校五年生で再発しました。二年生の時の入院生活の記憶はあまり残っていませんが、保育士さんと庭園で遊んだことを覚えています。
しかし、再発時の抗がん剤治療では、食欲がなくなり、髪の毛が抜け、体重が30kgから20kgまで減少しました。食べ物が喉を通らない日々は本当に辛く、特に大好きなお寿司が食べられなかったことは苦痛でした。また、病院食が口に合わず、栄養士さんが特別にメニューを変更してくれたこともありました。
入院中、僕を支えてくれたのは医療従事者の皆さんです。4回の手術を経験しましたが、主治医であるロッククライミングが得意な先生を信頼していたので、不安や緊張はほとんど感じませんでした。看護師さんたちも、いつも笑顔で接してくれたり、ハロウィンには仮装して病室を回ってくれたりして、僕たち入院患者を楽しませてくれました。
こうした経験を通じて、僕自身も人に優しく接することの大切さを学びました。
自分が助けられたように、今度は僕が他の人を助ける立場になりたい
治療後、体力が落ちた僕は以前のように運動を楽しむことができなくなりましたが、高尾山登山を通じて「体力に自信がない子も健常者もみんなで一緒に挑戦する楽しさ」を伝えたいと考え、活動を続けています。
また、高校生の時にはシャイン・オン!キッズのキャンプカレッジに参加し、仲間たちと「生禁ブルース」という歌を作って発表しました。こうした経験を経て、僕は一人で外出できるようになり、自己成長を実感しました。
将来の夢は、自分が助けられたように、今度は僕が他の人を助ける立場になることです。理学療法士を目指して大学で勉強を続け、困難に直面している人々を支える力を身につけたいと思っています。
スピーチ発表を終えてみて
――仲間とのスピーチ練習でよかったことや心が動いたところを具体的に教えてください。
皆、色々な経験をしていて、それぞれに自分自身も共感できたことです。
――本番の仲間のスピーチでよかったところや心が動いたところを具体的に教えてください。
喋り方を変えたり身振りを加えたり工夫していて、より内容が伝わって心が動きました
――あなた自身が、SIOPこどもスピーチで話してみて、よかったこと、印象に残ったことを具体的に教えてください。
経験談を語ることができて、皆の色々な思いが伝わったことです。
――SIOPこどもスピーカーに応募する前と本番で話した時の自分を比べた時、違っているところがあるとしたらどんなことですか? あるいは頑張ったな、と自分を褒めてあげたいことはどんなことですか?
喋り方や身振り手振り、英語の発音などです。
――今後も多くの皆さんに小児がん経験を話していただく場を作っていきたいと考えています。ブログやSNSを通じて、今一番伝えたい思いを教えてください。
小児がんで長期の入院を経ていく中、学校生活にブランクがあったけれど、どんなに困難な状況でも希望を持ち続けて進んでいく自分を伝えたいと思います。
――今後、どんなところでご自身の経験をお話してみたいですか。
A:次回話すときは、病気を持つ子どもたちの親御さんや家族の関係者の前で話したいと思います。小児がんや難病になったことについての体験や経験を分かち合ってるから、話が伝わりやすいのではないかと思うので。
プロジェクト担当:加藤・砂川
活動報告#8 登壇者Bさんの発表と感想
2024/9/1 14:32
9歳になったばかりの頃、白血病に
小さい頃から食べることとダンスが大好きで、健康優良児だった私にとって、この診断は信じられないものでした。突然の入院、友達との別れ、髪の毛が抜けることなど、辛い話ばかりが続きました。
しかし、ママがいつもそばにいてくれたおかげで、不思議と恐怖は感じませんでした。それよりも、大好きなママが泣いている姿を見ることが何倍も辛かったです。
長い治療を経て、一度は日常生活を取り戻しましたが、1年後に再発し、さらに過酷な治療が待っていました。骨髄移植のために遠くの病院に転院し、最初は新しい環境に馴染めず、孤独と不安を抱えました。
しかし、同室のファシリティドッグのマサくんとの出会いが、私の心を癒してくれました。マサくんは、言葉がなくても心が通じ合い、彼の存在が私を支えてくれました。彼がいると、部屋の空気が一瞬で明るくなり、治療に向かう勇気が湧いてきました。
ダンスを通じて病気と闘う人々に笑顔を届けたい
退院後、顔や体が副作用で浮腫み、学校に通えなくなったことは精神的にとても辛いものでした。病気を経験し、大人にならされたことで、周りと馴染めない自分が嫌になりました。しかし、親友の「無理しなくていいよ」という言葉に何度も救われました。治療を終えても髪の毛が生えず、偏見や差別に苦しんだ時期もありましたが、新しいダンススタジオで自分を受け入れてもらい、再びダンスへの情熱を取り戻しました。
病気を乗り越えて再びステージに立つことができたことを、今では誇りに思っています。これからは、再発の恐怖を抱えながらも、白血病を乗り越えた一人の人間として、ダンスを通じて病気と闘う人々に笑顔を届けたいと考えています。
スピーチ発表を終えてみて
――仲間とのスピーチ練習でよかったことや心が動いたところを具体的に教えてください。
自分以外の詳しい治療の話はあまり聞く機会がなかったから、「辛いのは自分だけじゃないんだな」と感じました。
――本番の仲間のスピーチでよかったところや心が動いたところを具体的に教えてください。
英語のスピーチがかっこよかった!
――あなた自身が、SIOPこどもスピーチで話してみて、よかったこと、印象に残ったことを具体的に教えてください。
みんなの前で泣かずにスピーチできて良かったです。今回自分は日本語でのスピーチだったので、いつか英語でスピーチしてみたいです。
――SIOPこどもスピーカーに応募する前と本番で話した時の自分を比べた時、違っているところがあるとしたらどんなことですか? あるいは頑張ったな、と自分を褒めてあげたいことはどんなことですか?
自分の治療のことを振り返る機会がなかったからあらためて思い出して辛い気持ちにもなりました。でも、振り返った事で少し心の整理がつき、また前を向くことができた気がしました。
こんな辛い治療を乗り越えて、また元気を取り戻すことができてとても嬉しいです。
――今後も多くの皆さんに小児がん経験を話していただく場を作っていきたいと考えています。ブログやSNSを通じて、今一番伝えたい思いを教えてください。
病気になり絶望感でいっぱいの時もありました。
このまま死んだ方がマシとも思うくらい辛い瞬間もありました。でも元気な自分を取り戻すことを諦めないで頑張りました。辛い時間は長かったけど必ず元気になる事だけをイメージしてました。闘病は辛かったけど気持ちだけはいつも病気なんかに負けてたまるか!と思ってました。
病気と闘うポジティブ思考が、とても大切だと思いました。
――今後、どんなところでご自身の経験をお話してみたいですか。
次回話すときは、病気とは全く関係ない、普通に生活している人たちの前で話すのが良いかなと思います。
何も知らないからこそ、感じるものが多いのではないかな、と思うからです。小児がんや難病のこどもたちのことを既に知っている人がさらに深掘りして聞くというよりも、いろいろな人にこういうことを知ってもらうことの方が大切だと自分は思います。
最初は広く浅く、まずは話を聞いてもらい、知ってもらうことが大事だと思います。そうして、その後、より深く知ってもらえるようになれば、さらに嬉しいな、と思います。
プロジェクト担当:加藤・砂川
活動報告#7 Dさんの発表と感想
2024/8/31 16:14
中学受験の2日前に白血病と診断
私は中学受験の2日前に病気を告知されました。当時の目標は、行きたい学校に合格することでしたが、背中と腰の強い痛みや貧血にもかかわらず、受験が終わるまで我慢していました。しかし、白血病と告げられ、長期入院が決まった瞬間、すべてを諦めかけました。そんな中、医師から受験するかどうか問われ、私は「絶対に後悔したくない」との思いで受験を選択しました。医師の柔軟な判断や受験校の配慮のおかげで、無事に奨学生として合格することができました。
その後の治療は厳しかったですが、「退院したら目指していた学校に通える」という希望が支えとなりました。また、病気によって過去の自分のイメージが崩れることが怖かったのですが、新しい環境で自分を素直に受け入れる決心をし、病名を含めすべてを周囲に伝えることを決断しました。
中学卒業時には、全校生徒の前で闘病体験を発表し、寛解したことや友人や先生たちへの感謝を伝えました。友人たちが私のために泣いてくれた姿を見て、病気を隠さずに伝えて良かったと心から思いました。
将来は小児血液内科医になりたい
今の私があるのは、受験という選択肢を与えてくれた医師や両親、そして学校の先生のおかげです。自分で選択すること、そして選択肢を広げることの重要性を学びました。どんなに困難な状況でも、諦めずに道を模索することで、新たな選択肢が生まれ、より良い未来が見えてくることを実感しました。
また、闘病生活を通じて、人間関係の大切さにも気づきました。辛いことも多かったですが、人間関係がその問題を解決してくれたのです。人間関係は時に困難ですが、それが私を支えてくれた偉大なものでした。
将来は小児血液内科医となり、同じような病気と闘う子供たちを支えたいと考えています。
スピーチ発表を終えてみて
――今後、どんなところでご自身の経験をお話してみたいですか。
D:ここで活動して約2年になるのですが、一番やりたかったことは、支援企業と一緒に支援活動を行うことです。いつも一緒に行きたいと思っていました。そのため、一度お願いしてみようかと考えています!
また、もう一度海外交流もしてみたいです。そして、高校や大学、中学校などで新しい雰囲気を感じながらお話することもやってみたいです。さらに、こども家庭庁のような子ども関連の活動も再度行いたいというのが、私の大きな目標です。
プロジェクト担当:加藤・砂川
活動報告#6:Cさんの発表と感想
2024/8/31 10:25
10歳の時に、リンパ腫と診断
体が辛く、歩けなくなって父に背負われて病院に向かったのを覚えています。大きな病気にかかったことがなかったので、入院が半年も続くと聞いて「こんなに重い病気なんだ」とショックを受けました。抗がん剤治療を4回、手術を2回行いました。
病気になった時、最初は「どうして僕だけがこんなに辛い目に遭うんだろう」と思いましたが、同じように病気と闘う子供たちがいることに気づきました。
入院中、僕のクラスメートが千羽鶴を折ってくれたことも大きな励みになり、退院を待っている友達がいると思うと「治療を頑張ろう」と思えました。
友達は当たり前の存在だと思っていましたが、入院生活を経て、友達がどれほど特別な存在であるかに気づきました。
そして、ファシリティドッグのマサとの出会いは驚きでした。犬を飼ったことがなかった僕にとって、犬と触れ合うことは新鮮で、マサの存在にとても喜びを感じました。マサが来てくれると、不思議と吐き気が収まり、マサを撫でていると気持ちが落ち着きました。マサとの時間は僕にとっての癒しの時間であり、マサの存在があったからこそ、リハビリや治療を乗り越えることができました。
将来はロボットを作る会社を立ち上げたい
将来の夢について考えるようになったのは、退院後のことです。ファシリティドッグが日本に4頭しかいないことを知り、もっと多くの子供たちがこの支えを受けられるようにしたいと思うようになりました。
今できることは、お小遣いを寄付したり、支援を呼びかけたりすることですが、将来はロボットを作る会社を立ち上げ、その収益でファシリティドッグを育て、全国で活躍できるようにしたいと考えています。これが僕の夢であり、僕が入院生活を乗り越えた証でもあります。
スピーチ発表を終えてみて
――仲間とのスピーチ練習でよかったことや心が動いたところを具体的に教えてください。
アキコDさんから、顔をあげてみるテンポが速いところがあるとアドバイスをもらえた。ホテルの部屋での前日のスピーチ練習で、「テンポがいい!」「声が出てる!」とほめてもらえて自信につながりました。
――本番の仲間のスピーチでよかったところや心が動いたところを具体的に教えてください。
マコトさんの生もの禁止の話です。僕も入院中は好物の寿司が食べられなかったので、とても共感しました。
アキコさんの英語のスピーチに気持ちがこもっていてすごく伝わったと思います。「受験の前に診断を受けたのに、合格したことが嬉しかった」というところが、特に印象に残っています。
――あなた自身が、SIOPこどもスピーチで話してみて、よかったこと、印象に残ったことを具体的に教えてください。
聞いているお医者さんたちに、苦しいこと嬉しいこと、自分の体験を伝えられてよかった。自分の経験したことが、何かの役に立つのかもしれないと思えました。
――SIOPこどもスピーカーに応募する前と本番で話した時の自分を比べた時、違っているところがあるとしたらどんなことですか? あるいは頑張ったな、と自分を褒めてあげたいことはどんなことですか?
あらためて、僕は闘病を頑張ったなと思いました。毎日スピーチの練習を欠かさずやったことをほめてあげたいです。スピーチをするときのテンポやはっきりと伝えることが大事だということなど、スピーチのコツをつかめました。
スピーチの依頼が来たら次はもっと上手にできると思います。今度は気持ちをもっとこめて、スピーチができるようにがんばりたいです。
――今後も多くの皆さんに小児がん経験を話していただく場を作っていきたいと考えています。ブログやSNSを通じて、今一番伝えたい思いを教えてください。
「入院がよかった」とは言えないけど、入院したからこそわかることも多かった。一番きついのは、食べたいものが食べられない、好きなものが食べられないことが一番つらかったです。面会時間をいつでもOKにしてほしい、仕事している親がいつでも来やすいようにしてほしいと思います。また、コロナ禍だったから仕方ないかもしれないのですが、友達と一緒にリハビリとかをやりたかったと思いました。ファシリティドッグのサポートがなかったら無理でした。そう思うと、犬がいない病院の子どもたちはかわいそうだと思います。
元気な時は友達と同じ部屋がいいけど、個室が満室ではいれいときがあったので、抗がん剤治療の点滴の時とか、いつでも個室に入れるようにしてほしいです。
――今後、どんなところでご自身の経験をお話してみたいですか。
次回の機会にも、今回と同様に日本以外の海外の人たちにも聞いてもらえると良いと思います。
海外の方々にも日本の子どもたちの声は伝わると感じています。そこで、日本と海外の医療技術は違ったり、病院や院内学級が違ったりするということを知ることにもなると思うんですね。すると、「日本ではこういうことをやっているので、自分たちの国でも取り入れてみよう」というような流れになったら嬉しいな、と思います。
プロジェクト担当:加藤・砂川
+スペシャル活動報告
10,000円
『シャイン・オン!コミュニティ』こども企画室(運営:認定NPO法人シャイン・オン・キッズ)からの特別な活動報告記事が配信されます。
※御礼・ニュースレターが含まれます
+子どもたちの活動動画(ダイジェスト版Ver)先行視聴権【限定公開】
20,000円
『シャイン・オン!コミュニティ』こども企画室(運営:認定NPO法人シャイン・オン・キッズ)の活動内容を報告する動画(ダイジェスト版Ver)の先行視聴権です。
※御礼・ニュースレター、スペシャル活動報告が含まれます
+子どもたちの活動動画(完全版Ver)先行視聴権【限定公開】
50,000円
『シャイン・オン!コミュニティ』こども企画室(運営:認定NPO法人シャイン・オン・キッズ)の活動内容を報告する動画(完全版Ver)の先行視聴権です。
※御礼・ニュースレター、スペシャル活動報告が含まれます
+こども企画室特製グリーティングカード
100,000円
子ども企画室でデザインした、ファシリティドッグなどの絵柄のポストカードセットをお贈りします。
※御礼・ニュースレター、スペシャル活動報告が含まれます
+こども企画室「こども記者」の非営利団体活動の社会科見学受け入れ
100,000円
※法人寄付者のみ・寄付者に限った権利となります
※「こども記者」1~2名が取材して、シャイン・オン!フレンズで情報発信します
※企画の実施にあたっては、SOKのこどもの権利擁護方針・パートナーシップポリシーの基準に準ずる形となります
企業・団体コラボ企画会議
300,000円
※2025年~実施予定、法人寄付者のみ・寄付者に限った権利となります
※企画の実施にあたっては、SOKのこどもの権利擁護方針・パートナーシップポリシーの基準に準ずる形となります
+こども企画室「こども記者」の企業活動の社会科見学受け入れ【銀行振込にてお願い致します】
500,000円
※2025年~実施予定、法人寄付者のみ・寄付者に限った権利となります
※「こども記者」が取材して、シャイン・オン!フレンズで情報発信します
※企画の実施にあたっては、SOKのこどもの権利擁護方針・パートナーシップポリシーの基準に準ずる形となります
+こども企画室オリジナルデザインを使ったグッズ開発権利(1点)【銀行振込にてお願い致します】
1,000,000円
※2025年~実施予定、法人寄付者のみ・寄付者に限った権利となります
※企画の実施にあたっては、SOKのこどもの権利擁護方針・パートナーシップポリシーの基準に準ずる形となります