ちひろ美術館 支援会員制度担当

支援総額

367,888円

支援総額

367,888円

支援者数

35人

残り

終了

2023年のアニバーサリーギフトにご支援くださったみなさま、本当にありがとうございました。おかげさまで、今年も無事、キャンペーンが終了しました。Syncableのサイトのほか、郵便振替や銀行振込などからのご寄付もあわせて1か月間で423,888円のご支援をいただきました。心より感謝申し上げます。

2006年から始まった、病院内でのいわさきちひろ複製画展は、みなさまからのあたたかいご支援に支えられて少しずつ取り組みが広がり、今年で18年目です。コロナ禍の間、感染拡大予防の観点で作品の掛け替えを控えていた病院や医療施設もありましたが、昨年から今年にかけて徐々に再開しています。

いわさきちひろ 母の日 1972年

病気などの事情により、日常的に美術館を訪れるのが困難な子どもたちやそのご家族、そして医療従事者のみなさまに、引き続きちひろの複製画展をお楽しみいただけるよう、活動をさらに充実させてまいりたいと存じます。今後とも、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

(寄付担当:中平)


築地駅からほど近い、礼拝堂の十字架が目印の聖路加国際病院旧館。夕方になると礼拝堂の鐘の音が響きます。そのむかいに、ガラス越しに照明がキラキラと輝く4階建ての建物があります。聖路加助産院マタニティケアホームです。なかに一歩入ると、通りのにぎやかさが一瞬にして消え、心が落ち着く静かな空間が広がっていました。

聖路加助産院マタニティケアホーム 建物外観

助産院から発展し設立されたこの施設では、出産後のお母さんが育児をスムーズに始められるよう、助産師さんによる専門的な支援を受けながら、あかちゃんと共に過ごすことができます。

廊下の展示作品

自宅での産後のサポートがないお母さんも、あかちゃんのお世話や自分の体調について24時間いつでも助産師さんに相談ができ、自然栽培の野菜をふんだんに使用した食事や体にやさしい手づくりのおやつなどをいただきながら体を回復させ、あかちゃんの沐浴の練習などもおこなえるそうです。

畳コーナー

注:施設内には利用者以外はお入りいただけません。

新型コロナウイルス感染症の流行などもあり、長い間ご訪問ができませんでしたが、今回久しぶりに作品を入れ替えさせていただきました。

施設を利用された方からは、「慣れないあかちゃんとの生活のなかでこちらを利用しました。お部屋の前にあるちひろさんの絵を見て、穏やかな気持ちになれます」「やさしい絵で心が癒されます」などのコメントをいただいています。また、施設で働くスタッフの方たちからも「このような絵が職場に飾られていることで、私たちスタッフが日々の仕事の合間にほっとひと息つくことができます」という声をいただいています。

作品入れ替えのようす

生まれたばかりのあかちゃんとの新しい生活のスタートは大変ですし、不安なこともたくさんあるかと思います。ひとりでも多くのお母さんたちが、いわさきちひろの作品を楽しみ、この世に誕生したばかりのあかちゃんとの生活を穏やかな気持ちでスタートすることができますように。アニバーサリーギフトは、9月8日(金)が最終日です。引き続き、病院内複製画展へのご支援をよろしくお願いいたします。

病院内いわさきちひろ複製画展担当 窪田


病院内でのいわさきちひろ複製画展をご支援くださっているみなさまに、心から感謝申し上げます。

2006年に長野県立子ども病院からスタートした、病院や医療施設内における、いわさきちひろ複製画展は、今年で18年目を迎えることができました。これもひとえに、ご支援くださるみなさま、そしてご協力くださる医療関係のみなさまのおかげと、心から感謝申し上げます。

この複製画展には、いくつか大切にしていることがあります。まず、展示する複製画についてです。最新のデジタル技術と、熟練した技術者による入念な補正、加えて耐光性のある微小インクドットによる精巧な印刷技術を駆使して、ちひろの繊細な水彩表現を1枚ずつ丁寧に、そして忠実に再現しています。原画を展示する場合は、劣化を避けるために、厳格な照度・温湿度管理を徹底する必要がありますが、複製画は開放的な空間や明るい光のもとでの展示が可能なため、大勢の利用者が行き交う病院内の通路やラウンジなどで鑑賞し、お楽しみいただくことができます。

また、ひとたび展示をしたらずっとそのまま・・・・・・ではなく、折を見て作品の入れ替えを行っているのも、大切にしていることのひとつです。季節やテーマ、そして医療施設のスタッフのみなさんのご希望に合わせながら、作品の掛け替えを継続して行っています。医療施設では生花を飾ることができないため、花の作品があることが嬉しい、というお声もよくいただきます。それぞれの施設の展示空間に合わせながら、毎回新たな作品構成を考えるのは大変ですが、展示替え作業中に、通りがかった患者さんから「新しい絵になるのね、楽しみ!」「この作品が好きなのよ」など、お声がかかると、苦労も吹き飛ぶ思いです。

今年は、新たに神奈川県にある聖マリアンナ医科大学病院での複製画展がスタートしました。

聖マリアンナ医科大学病院での飾り付けの様子

ここでは、今年新たに完成した入院棟のなかに、1月から「児童思春期ユニット」が開設され、発達的課題や心理的課題のある15歳までの子どもの心の問題に対応しています。また4月から「こどものこころセンター」も開設され、外来・入院・コンサルテーションを含めたトータルな子ども心のケアが円滑にできるようになってきています。

小野和哉センター長(左)とスタッフのみなさん

ちひろ作品は、小野和哉センター長よりいただいたリクエスト「子どもが自分の世界を楽しむようなテーマのちひろ作品を飾ることで、子どもの心を癒やすスペースとしたい」をベースに、スタッフのみなさんにリストの中から選んでいただきました。

いわさきちひろ「チューリップのなかの男の子」1966年

病院で過ごす子どもたちやそのご家族のみなさん、そして医療関係者の方々にお楽しみいただければと願っています。

 (寄付担当:中平)


長野県の安曇野市にある、長野県立こども病院。

長野県における小児周産期医療の重要な役割を担っています。

田園風景にたたずむ赤い屋根が、とても印象的です。

          長野県立こども病院外観

長野県立こども病院で、ピエゾグラフ展示が始まったのは、2006年9月のことでした。

「音楽や文学や美術は心の栄養…(中略)…体の具合がすぐれないときこそ心の栄養が大切」

「こども病院を美術館にしよう」…

当時の院長先生と、ちひろ美術館の思いが一致し、スタートしました。

外来待合室や、院内図書館の廊下、家族ラウンジ、プレールーム、新生児病棟など、院内の10か所以上に、いわさきちひろのピエゾグラフ作品を、あわせて常時45点ほど展示しています。

作品の掛け替えにうかがうと、「今度はどんな絵が見られますか?」「とてもかわいいですね!」「いつも癒されています」など、患者さんやスタッフの方が、声をかけてくださいます。

  しろくま図書館廊下

作品は、あかちゃんや、お母さんとあかちゃんの絵、四季折々の風景のなかでいきいきと遊ぶ子どもたちの絵を中心に、展示をしています。ちひろの描く作品からは、風や波の音、花の香り、あかちゃんのふんわりとした肌やあたたかみなども伝わってくるようだ、とご感想をよくいただきます。ひととき絵を見ながら、想像を膨らませて楽しんでいただけたら、なによりもうれしいと思いながら、取り組んでいます。

  家族ラウンジ

病院の方からは、新生児病棟のNICU(新生児集中治療管理室)にはあかちゃんやあかちゃんとお母さんの絵を、GCU(新生児回復室)には遊んでいる成長した子どもの絵を、とリクエストをいただいています。子どもたちの成長に合わせた展示が、ご家族の励みになるという、スタッフの方々の思いからです。ちひろの作品が、少しでもご家族のお役に立てればと願っています。

●病院でちひろのピエゾグラフ展をご覧になった方からのメッセージ

「思いもかけず早産となった息子は、こども病院にお世話になることとなりました。息子を抱っこしながら、うれしさや愛おしさと同時に出てくる不安な気持ちに、自分が追いつかない日々が続きました。そんななか、病院のあちらこちらでいわさきちひろの絵を目にし、描かれたあかちゃんや子どもたちの姿に、しばし夢中になることができました。 

“ああ、うちの子もいつかこんな風に抱きついてくれたりするのかな”

不安な気持ちを一時忘れ、しばらくできていなかった深呼吸ができるような気がしました。」

(長野県立こども病院 利用者様より)

  いわさきちひろ 母の日 1972年

(病院内いわさきちひろ複製画展担当:田邊)


公益財団法人

いわさきちひろ記念事業団

〒177-0042

東京都練馬区下石神井4-7-2

03-3995-0612

代表:山田洋次