寄贈された本が図書館に並ぶまで~【3】
2023/2/28 10:15
さて、寄贈いただいた本が図書館に並ぶまで。最後は図書館への送り出し(排架)の流れです。
●図書館への定期送り出し
情報ステーションの図書館の多くは、定期的に書棚の本の入れ替えを行っています。各図書館の利用者からのリクエストカードや、運営者の方からの要望に応じて、スタッフとボランティアが選書を行います。
届け先が決まった本は、船橋近郊の図書館へはスタッフが車で本を配送・入れ替えを行います。遠方の館の場合は郵送で入れ替える本をお送りし、運営をしていただいている皆さまに、棚にあった本を送り返してもらいます。
●図書館イベントの開催時
新しく図書館を開設するときや、イベントでの出張展示をする際は、1~2か月前から蔵書基地で大量の本を選んでストックしていきます。
こちらは2022年に市川市の商業施設「コルトンプラザ」で1週間実施したイベント、「もったいないこども図書館」の開催時のようすです。このイベントでは絵本・児童書を中心に展示・お持ち帰りをいただきました。同時に寄贈本もたくさんお預かりいたしました。イベント前日にコンテナを運び込み、
開店前に並べます。
この時は本をお持ち帰りいただくため、除籍・登録のシステムも入れました。
開店5分前、準備完了です。大賑わいでした。
寄贈いただいたみなさま、ボランティアのみなさま、ありがとうございました!また次回どこかで同様のイベントができると嬉しいです。
(よ)
「最強読書日記」図書館篇(1)「走れ!移動図書館」
2023/2/27 08:58
3月11日が近づいてます。そんな時期にこの本(「走れ!移動図書館」ちくまプリマ―新書)の著者である鎌倉幸子さんから寄付をもらいました。(ありがとうございます!)
ということで、突然ですが、書籍紹介です。これは震災の話でもあり、図書館の話でもあります。
作者はNGO団体シャンティに所属し、8年間カンボジアで図書館設置活動に従事。2011年には日本に戻っており広報課長という立場でした。(ちなみに生まれは青森。)その日、東京での会議中に大きな地震に見舞われ、故郷東北での巨大地震の報に戦慄します。シャンティは即座に緊急支援に動きます。決断と行動が先行し、論理と感情が後から追いかけて行くスピード感あふれる文体で以降の物語は進みます。「親族の安否は確認できなくとも、団体としての活動は始まります。」「想像して、想像して、想像しぬいた先にプロジェクトは存在する。」
彼女そして仲間たち(掃除の達人・永平寺のお坊さんも活躍)は6月には遠野に事務所を開設し、手持ちの軽トラックを移動図書館に変身させ、走行開始は7月中旬。なんと実質1ヶ月強で移動図書館は走り始めるのです。
優先されるのは衣食住です。4月に現地に入った鎌倉さんは「まだ本ではない」と感じます。しかし、気仙沼図書館の職員の言葉が突き刺さります。「食べ物は食べたらなくなります。でも読んだ本の記憶は残ります。」それはカンボジア難民キャンプの少女に聞いた言葉と全く同じだったのです。信じたのは人々を救う本のチカラです。ま、続きは本編で…。(ひ)
情報ステーション理事自己紹介(2)小関尚子さん
2023/2/26 09:21
みなさん、こんにちは。情報ステーションの理事を担当している小関尚子(こせき・なおこ)と申します。産休・育休を挟みながら、約30年図書館で働いています。
情報ステーションとの出会いは、10年近く前にとある場所で聞いた岡代表の講演でした。図書館と言えば公立のもの、自治体が作るものと思っていたのですが、民間で公共の図書館を作って地域の活性化や多世代交流を図るという情報ステーションの活動は、耳に新鮮に響きました。自分自身、2011年の東日本大震災で、子どもたちと連絡が取れず眠れない一晩を体験し、東京の職場と家だけの往復ではいけない、地域とのつながりを作ることが自分に欠けていたと強く思い知らされたこともあり、地元船橋で行われていた情報ステーションの活動に関心を持ちました。そこで、北口みらい図書館で開催されていたイベントや宴会にちょこちょこ参加していたのですが、そこから何がどうして、理事をお引き受けすることになったのか自分でもよくわかりません。人を巻き込むのが上手な岡代表にしてやられたということでしょう。
さほど読書好きでもありませんし、子育て期間中は眠くて眠くて本を読むことができませんでした。子育てが終わりかけた今になって、少し時間の余裕ができましたが、山と積まれた積読を解消するには時間も足りませんし、集中力も欠けて目もぼやけます。ああ、もっと若くて元気のあるときに本をたくさん読んでおけばよかったと悔やみながら、ゆっくり山を崩す努力をしています。でも、書店で見かける本の美しさ、帯の言葉の艶やかさ、魅惑的なタイトルに誘われて、またうかうかと買い込んでしまうのです。
そんなふうに、つい最近買ってしまった本は、サン=テグジュペリ著、倉橋由美子訳の『星の王子さま』(文春文庫、2019)。『星の王子さま』は、みなさまご存じ内藤濯訳から三田誠広訳、河野万里子訳、池澤夏樹訳にドリアン助川訳、奥本大三郎訳、そのほかいろんな人々が翻訳に取り組んでいます。そこまで人々に翻訳したいと思わせるその魅力の根源は何なのだろうと不思議に思いながら、ゆるゆると倉橋訳の王子さまを味わってみたいと思います。(こ)
寄贈された本が図書館に並ぶまで~【2】
2023/2/25 13:20
今回は、寄贈いただいた本が図書館に並ぶまでの続きです。寄贈いただいた書籍はボランティアが状態を確認したうえで蔵書としてデータベースに登録して、所在や貸し出し状況を管理できるようにしています。
●蔵書ステーションで本の登録
千葉市野呂団地にある野呂団地あおぞら図書館 は寄贈本の郵送受け入れ及び回収した本の保管をする蔵書ステーションを併設しています。週に1-2回、この図書館でのボランティアDAYで、蔵書の整理と登録を実施します。
1冊1冊は軽くても、箱に入った書籍は相当な重さになります…力自慢の方や、パソコンでの登録作業、蔵書ラベルをまっすぐ貼付など、ボランティアそれぞれが得意な持ち場で活躍します。
登録が終わった書籍は、いったん書庫の棚へ。各図書館からのリクエストや、新規図書館の開設時の選書に合わせて、ピックアップされるのを静かに待っています。
●3月のボラDAY日程
野呂団地あおぞら図書館でのボランディアDAYは、3月1日(水)・3日(金)…と3月も多数開催されます!事前の申し込みは不要ですので、春休みの一日にどうぞご参加ください。
詳しい日程はこちら
(次回に続く)(よ)